信金中央金庫で送金がおこなえないシステムトラブルが発生する騒ぎのあった25日、他の銀行でも送金不能となる深刻な不具合が報告されていたことがわかった。相次ぐ不祥事に銀行業界の安定運用に対する意識の低さがあらためて問われそうだ。
問題が起きていたのは福岡県北九州市に本店をもつ、おふくろ銀行(65歳)。同行利用者で都内在住の山田としあきさん(35)によれば、25日朝、
「カネオクレ」
と送金依頼したにもかかわらず、同日午後3時までに振り込まれなかったという。
山田さんは
「今まではふたつ返事ですぐに送金されていたのに。おれが東京でビッグになるためにはあと30万必要なんだ」
と怒りを隠せない。山田さんからの苦情を受け、金融庁も原因究明に乗り出す方針を固めた。
おふくろ銀行はバカ息子やドラ息子を主要顧客に抱える都銀の老舗。おかあさん銀行に比べ「貸付け業務の審査が甘い」として人気がある。しかし、最近では不良債権の焦げ付きと経営陣の健康不安などがささやかれていた。金融アナリストは今回の不具合について「これまでの無理がたたったのではないか。滋養のあるものを食べてのんびりしてほしい」と見ている。