米アップル社が現地時間15日に発表した新型ノートで「世界最薄」を主張していることについて、日本のメーカーから物言いが入った。
「我が社のノートこそ世界最薄。勝手に世界一を僭称するのは、アップルのイメージ先行な詐欺的商法のあらわれだ」
と言うのだ。
アップルが発表した新型ノートは「MacBook Air」。公称で4ミリ~1.94センチという薄さがウリで、スティーブ・ジョブスCEOは記者会見で「世界最薄」をうたっていた。これに真っ向から異論を唱えたのが、日本の文具メーカーの雄・コクヨ(本社:大阪)だ。創業明治38年の老舗。高品質なノートづくりには定評がある。同社の黒田章裕社長は
「4ミリで世界最薄? 弊社のノートなら1ミリから豊富なラインアップを取りそろえている」
と訴える。
コクヨ製ノートの一例を挙げると、アップルの新製品とおなじゼロスピンドルタイプが厚さわずか1ミリ(「キャンパスノート」タイプ)。MacBook Airのなんと4分の1だ。驚くべき薄さにくわえ、丸めて持ち歩くことさえ可能。しかもサイズはB5と一回り小さく、その全域を表示領域として使える驚異の狭額縁ディスプレイを搭載している。記憶容量は120Gバイト以上(米粒にお経を書く職人さんが使用した場合)。無線通信機能として一部を切り離して遠隔地に情報を飛ばす「紙飛行機機能」、暑い夏期に重宝する「うちわ代用機能」など先進テクノロジーにも目を見張る。
実はコクヨがアップルと敵対的なムードに陥るのはこれがはじめてではない。2年前にはコクヨがトップをひた走っていた「クリップ市場」にアップルが粗悪な新製品をもって殴り込み、イメージ先行のプロモーションだけでシェアを奪うという事件があった。
「あのときもそうだったが、比べてみれば我が社の製品のほうが優れていることは一目瞭然。とりわけ今回は分厚い“Book”でしかない製品をノート市場に売り込むという詐欺性があらわで、とても見過ごすわけにはいかない。消費者のためにも徹底的に戦っていきたい」
と、黒田社長。果たして日本のサムライは傲慢なジョブスの鼻をあかすことができるのか。今後の動向に注目だ。