石油など化石燃料の枯渇が指摘されて久しい。今や省エネルギーへの配慮は常識となっている。しかし化石燃料以外にも、われわれの社会・文化を支えながら枯渇に直面している資源があることは、あんがい知られていない。「レアメタル」もそのひとつだ。
「おまえをロウ人形にしてやろうか!」
かつてレアなメタルミュージシャンとして、そんな名台詞で一世を風靡したデーモン小暮閣下さん(10万45)。最近はメタル魂がすっかり枯渇しはじめ、相撲評論で糊口をしのぐ毎日だ。「我輩もメタルとか言ってられないトシになってきてだな…」とこぼす。
若手のあいだでも問題は深刻だ。メタル界で働く根岸崇一さん(23)は、労働条件の過酷さを訴える。
「ぼくはカヒミ・カリィみたいな曲を弾きながらクレームブリュレをスプーンの背で割る生活をしたいのに。汚い言葉を連発するメタルはイヤだ」
こうした労使のギャップを背景にした若者離れが、メタルのレア化にさらに拍車をかけているようだ。
レアメタルの枯渇は政府も問題視しており、
- アニメと連携した企画ユニットによる人気底上げ
- 服に鋲を打ち付けて「パンク」を擬装する
などの対策を打ち出している。しかし、根本的な資源枯渇解消には至っていないのが実情だ。やはり、初等教育段階から「教育現場にジーン・シモンズを呼ぶ」などドラスティックな改革が必要なのではないだろうか。