昨年の大みそかに放送されたNHK「第58回紅白歌合戦」の平均視聴率が約36%という史上ワースト2位の低さを記録していたことが、ビデオリサーチ社の調べで2日までにわかった。視聴者への聞き取り調査によれば、見なかった理由として
「知らないプロレスラーが出ており、歌番組としての魅力に欠ける」
ことを挙げる人が多かったという。
紅白の視聴率が最低を記録したのは、2004年の第55回。1部・2部を通じた視聴率が35.05%だった。今回は第1部のみで見ると32.8%と一昨年の30.6%を超える成績を残したものの、後半の第2部が低迷。0.3%減の39.5%と足を引っ張ったことが、全体の視聴率ダウンにつながったかっこうだ。
これを受け、ビデオリサーチが「第2部をなぜ見なかったのか」とたずねる追加調査を行ったところ、
「知らないプロレスラーが出ていたから」
「暴力的な格闘家が出ていて、品位に欠けると感じたから」
「紅白は歌番組であり、K-1やハッスルとは違う。」
といった回答が大勢を占めた。具体的には第2部終盤に出演した女子プロレスラー・バイオレンス和田さん(57)のことを指していると見られる。こうした調査結果は、和田さんの出演時間帯に「赤ん坊が泣きやまない」「ゴリラが映っているが“ダーウィンが来た!”に差し替えになったのか」などといった苦情電話がNHKに殺到していた事実と符合する。
また、同時に「今後はどういった歌手に出演してほしいと思うか」とたずねたところ、
「“古い日記”でおなじみの歌手・吉村明宏さん」
「吉村さんの“あの頃は~ハッ!”をひさしぶりに聴きたい」
という回答が多かったという。NHKには猛省とともに次回紅白出演者の選考基準再考が迫られることになりそうだ。