北海道電力は9日、同社の北海道・泊原子力発電所での原子力発電を廃止、今後は火力発電へと転換する方針を明らかにした。泊原発では7月から不審火が相次いでおり、9日昼にもぼやが発生していた。こうした火力を発電へと有効利用し環境保護に役立てていこう─というのが今回の転換の目的だ。
北電の近藤龍夫北電社長は、この日の夕方開いた記者会見で
「日本の原子力発電はすばらしい。バケツで臨界を起こしたり、使用済み核燃料貯蔵プールで作業員がたのしく水浴びできたりと、ありえない奇跡がつぎつぎ起こる。まさに神の国ならでは、だ」
と力説。今回の火力転換もこうした高い技術力を背景にしたものだと語った。不審火による火力発電は出力の安定化の面で課題が多いとされてきたが、「2ヶ月で6件とコンスタントに火事を起こすことができるようになり、手抜き工事や欠陥隠しで稼働率が低くなりがちな原子力よりむしろ安定している」として決断に踏み切ったという。
火力なら、環境面でも引取先の決まらない放射性廃棄物を生み出す心配がなく、地球に優しいのもメリットとのこと。いっぽう、転換後は当面出力0.2mWhでの運転となる。「電力需要に対して供給が見合わないのではないか」という記者団からの問いに対し、近藤社長は
「イザというときは旧原子炉を暴走させて道内全域を火の海にし、その火力で発電するのでだいじょうぶだ」
と自信を見せていた。