<宿題専門家・北沢たかしくん(11さい)>
今夏もまた梅雨明けの遅れや巨大台風の襲来など、天候の不順がめだつ。世界に誉れ高き“四季の国”日本を襲う異常気象の背景にあるのは、もちろん「地球温暖化」だ。しかし、温暖化対策は遅々として進んでいない。レジ袋削減などという瑣末事に終始する始末だ。もっと削減すべきものが身近にあるのではないか。それは「夏休みの宿題」だ。
今年の夏、筆者の担任・よし子先生(32)は、積み上げると厚さ2センチにもなる自作の「しゅくだい帳」を出した。地球環境を考えない、非常識きわまりない教師! 教育再生の必要性を改めて痛感させられる。全国の小学校児童数はおよそ700万(平成19年度)。ここから推定すると、夏休みの宿題のために全国で1.4万メートル、富士山にして3.7コぶんもの紙資源が浪費され、広大な熱帯雨林が消滅させられたことになるのだ! この恐るべき環境破壊を前に、筆者は悲しみのあまり宿題をやる気が出なくなった。
夏休みの宿題による環境破壊に鈍感なのは教師だけではない。筆者の母は、これらのプリントをはやく鉛筆で汚せとうるさい。なんというモンスター・ペアレントだろう! 産経新聞は給食費未払いより、このような親を叩くべきだ。鉛筆で汚してしまえば紙の再資源化が困難になる。古紙リサイクル率の低下は熱帯雨林の伐採、そして温暖化の進行を招くのだ。筆者は、美しいマングローブの森を想うと、とてもプリントを汚すことはできない。
温暖化の元凶である夏休みの宿題に対し、できるだけ多くの国民が「ノー」の声をあげていくことが必要だ。今すぐ宿題を全廃することは不可能でも、せめて漢字の書き取りと算数ドリルから部分的廃止を進めていくべきではないか。京都議定書の枠組み規定から逆算すると8月31日がギリギリのデッドラインとなる。子どもたちにかけがえのない地球を引き継ぐために。宿題廃止を今すぐ実施しよう。
- 2007
- 08/05 23:45