強力な外来種が国内に侵入・繁殖し、それまで安定していた生態系を破壊してしまう、いわゆる「特定外来種」が問題となっているが、一定の環境下では逆に「外来種」が既存の生態系に合わせて適応・進化するケースのあることが、25日までに意外な事例で確認された。専門家は「なくはないが珍しい」と話している。
この外来種はいわゆる“スマートフォン属”の「iPhone」。日本国内で数年前に繁殖を確認されて以降、爆発的にその勢力を拡大し、在来種の「ガラケー」や「フィーチャーフォン」などを絶滅寸前に追い込んでいるとして、環境省が特定外来種への指定を検討していた。
しかし、専門家が25日までにまとめた調査結果によると、最近のiPhoneは
「ユーザー認証やセッション管理を端末IDでおこなう」
など、ガラパゴス日本に適応するかたちに進化していたという。こうしたケースは「なくはないが珍しい」とのことで、「コンテンツ制作に既存ガラケーの経験が活かせ、発注案件も安定する」と、現在一時的に不安定な日本のガラパゴス環境は落ち着きを取り戻すだろうと見込み、状況を歓迎する。
いっぽうで、ガラパゴスに詳しくイグアナの真似を持ちネタとするIPAの高木浩光研究員は
「iPhoneが適応進化したのではなく、環境に飲み込まれて自滅しただけ。日本のガラパゴスはまともな実装は生き残れない厳しい場所だということが実証された」
として、日本市場の不毛さを指摘し異を唱える。どちらが正しいのか、しばらく市場の行く末を見守る必要がありそうだ。