エチオピアで発見された“人類最古の女性”の全身骨格が復元、公開されたことが世界的に話題となっているが、その姿を見た人々から
「ウチの妻の親戚ではないか」
との問い合わせが殺到しているという。研究者は「身元不明で無縁仏になりそうだった彼女も喜んでいるはず」とうれしい悲鳴をあげている。
この人類最古の女性は、1994年にエチオピアで発見された440万年前のアルディピテクス・ラミダス(ラミダス猿人)で、通称アルディと呼ばれている。このたび15年をかけて復元され、生前の姿を取り戻した。その写真と映像がアメリカの雑誌「サイエンス」やテレビ番組「ディスカバリー・チャンネル」で公開されると、世界各地から問い合わせが相次ぐようになった。
問い合わせは主に妻帯者の男性からで、
「ウチの妻にそっくりだ。もしかして親戚ではないか」
「まったく同じ顔をしたのが居間でせんべいをボリボリかじりながら“ガハハ”と笑っているのだが、研究材料として引き取ってもらえないか」
といったものばかり。中には写メを送ってくる例もあり、見たところたしかに「血縁関係にあるとしか思えない」容姿だったという。
アルディの研究者グループでは、
「440万年前から脈々と受け継がれてきた血のつながりに感動を覚える。“人類皆兄弟”ということばの重みを、あらためて噛みしめざるを得ない」
と感無量なようす。「なによりも研究終了後に埋葬する予定のアルディに身寄りが見つかったことで、彼女自身も喜んでいるはず。立派なお墓を建ててやってほしい」と涙を流していた。