親の所得が高いほど子どもの成績は良くなる傾向があるが、しょせん自己責任であり親が努力すれば学力向上は可能─昨年度の全国学力テストの結果を分析したお茶の水女子大・耳塚寛明教授らのこんなレポートが話題を呼んでいる。「“格差社会”は左翼のプロパガンダで実際には存在しない」という事実に照らせば当然の調査結果であろう。さらに弊紙では、こうした事実を補強する証拠となる立派な
「低所得高学力家庭」
の存在をキャッチ。独占密着取材に成功した。
この「低所得高学力家庭」は、足立区綾瀬近くの荒川大橋下河川敷に住むAさん家族。昨年秋に派遣切りを受け空き缶集めに転職した父のAさん(38)と、息子のB男くん(11)の二人で1DKの段ボールハウスに暮らす。
「豊かとは言えない暮らしですが、息子にはいろいろな科学知識を教えるようにしています」
と語るAさん。実は院卒というだけあって、Aさんの“家庭教師”範囲は化学による気体生成や微生物の世話、はては放射性物質取扱まで多岐にわたる。
取材に訪れた日はB男くんが
「硝石をベースとした化学物質をピース缶のなかで高速燃焼させる実験」
の最中だった。結果はみごと成功。轟音とともに河川敷に釘や鉄片が飛び散った。小学生とは思えない高度な実験だが、B男くんは「時限装置の精度に改善の余地があるんだ。放射性廃棄物も混入しなきゃいけないし」と真剣なようす。一人前の科学者なみの学力を感じた。ちなみに小学校には給食費が払えないので通っていないという。
Aさんの日ごろの教育のたまもので高い学力を身につけたB男くんは、近隣住民からも
「橋の下のアインシュタイン」
もしくはビン・ラディンと呼ばれ、親しまれているという。まさに、所得の高低にかかわらず自己責任で家庭教育に励めば必ず報われることの生き証人と言える。Aさん・B男くん親子の当面の目標は
「永田町の真ん中で実験をやりたい」
だとか。実現する日のくることを祈ってやまない。