誰もが待ち望んでいたあの超大作RPGの最新作が、またも発売延期となった。発売日直前になってのリリース遅延はゲーム業界ではよくあることだが、前評判どおりの内容ならヒット確実の作品だっただけにメーカーは業績の下方修正を迫られることになりそうだ。
発売延期が決まったのは、アガペーイスラーム社(本社:エルサレム)の
「ヒューマンクエストIX
~負け組への福音」
だ。平凡なサラリーマン家庭に生まれた勇者が、小中高でほどほどの成績をおさめ、ほどほどの大学からそれなりの企業に就職、十人並みの奥さんと結婚してそれなりに幸せになることを目指す人気RPG。しかし、ちょっと足を踏み外すだけでモテない無職になりリセットするしかない難度の高さで知られ
「バグがあるのでは」
「クソゲー」
と言われライトユーザー離れが起きているとの指摘も。最新作ではゲームバランスを改善。誰でもクリアできる内容となる予定だった。
アガペーイスラーム社のアブラハム社長は、13日の記者会見で
「ゲーム序盤の“バレンタイン”イベントで、プレイヤーによってはどうしてもフラグが立たないという重大なバグが見つかったので発売延期を決めた。奇跡を起こせると思って油断していた。みんなが幸せになれるゲームを作れるという発想が、そもそも傲慢だった。反省している」
と新作を待ちわびていたファンに陳謝した。
今後、ヒューマンクエストでは根本教義を「悟りを開いた一柱の仏が衆生を救う」に切り替え、バグの改修をおこなう予定。この改修でゲーム中には
- あらゆる男性がチョコをもらえる
- 手術しなくてもいい
ような極楽浄土が広がるという。アガペーイスラーム社広報担当の弥勒菩薩氏によれば、最終的な発売日は56億7千万年後を予定しているとのこと。