26日の関東地方には、正午の気温が16度と前日比9度も低い地域が出るなど強力な「ツユザム」が来襲。圧倒的な冷え込みで、当初優勢とされた夏の暑さも苦戦を強いられている。この戦いではすでに男性1名の犠牲者も出ており、気象庁は
「量産化の暁にはさらに被害が広がる可能性がある」
と注意を呼びかけている。
この日、オホーツク海から警戒の網をぬって本州に進入したツユザムは、
「戦いは数だよ」
と語るドズル中将閣下の指揮のもと、北東からの大量の冷たく湿った空気にのって関東地方を急襲。初夏の熱気を大いに痛めつけた。このところソーラーシステムによる攻撃が華々しい戦果をあげていたため、ツユザムに反攻のための戦力は「もう残っていないはず」と世間が思い込んでいたスキを衝く巧妙な作戦と見られる。
これに対し太平洋の暖かい空気はGアーマーを急派。ツユザムの懐から攻撃するという捨て身の戦法に出た。この際、Gアーマーを操縦していた暑苦しい男は、
「悲しいけど、これ季節なのよね!」
と叫びながら特攻を完遂。命と引き換えながら、ツユザムにダメージを与えることに成功した。
その後、ドズル閣下はツユザムを放棄。
「たかが温暖化に、このツユザムがやられるのか。
やられはせんぞ、やられはせんぞ、温暖化ごときに。
やらせはせん」
と怒号をあげながら生身で寒さを撒き散らす単身攻撃を続けているが、未明にかけてやがて勢力を失い明日は平年並みの暑さに戻る見込みだ。